2025年4月1日
代表取締役社長 片岡政之
桜もまさに満開を迎えんとする穏やかな季節になりました。2025年度がスタートします。昨年度は個人消費の回復やインバウンド需要の増加等で経済は回復基調となり、日経平均株価も史上最高値を更新するなど長く続いたデフレからの脱却の兆しが進む一方で相次ぐ物価の上昇が家計を直撃しました。多くの企業で高水準のベースアップが実施されましたが物価上昇に追いつかず、実質賃金は前年割れが続いています。建設業界でも依然資材の価格高騰・長納期化だけでなく24年度問題に起因する恒久的な工期の長期化、技術者不足は継続した課題となっています。
当社の業績は、住友大阪セメントの大型コスト削減工事が一巡したこと、外部の大型工事の受注減少から厳しい予想でスタートしましたが、災害特需をはじめとする予算外の工事を多く積み上げられたことで、対予算増収増益となる見込みです。厳しい環境下にあるにも拘わらず結果を出して頂いたことに対し、全ての従業員の皆さんに、深く感謝いたします。
2025年度も住友大阪セメントの設備投資は、維持更新工事で一定水準を継続するもののコスト削減工事等は実施項目を厳選する慎重な姿勢に変わりありません。加えて外部も大型工事の受注が少なく、災害復旧関連需要も不透明なことから、当社年初予算は厳しい数字を余儀なくされました。しかし社会情勢によっては期中での追加投資や突発需要も考えられます。そうしたタイミングに機会損失を招かずしっかりキャッチできるようアンテナを高くしておく必要があります。
昨年結成した次世代ORPX開発プロジェクトも1年間の活動目的を達し、新商品を材料とした外部営業拡大の準備も整いつつあります。昨年からの種まき案件も含め早期に収益に結び付けられるよう、営業、技術が連携し攻めに転じてください。その為の基盤強化として、人材増強、社内業務の標準化や業務効率化も継続して進めて参ります。
また今年度は23-25中計最終年度であり、次期中計策定の年でもあります。第1Q中には策定方針が示されると思われます。前回の中計策定時から環境変化も進んでおり、現状計画を大きく見直す必要性も想定されます。自社の将来像に向けた大切な行動計画です。全員のベクトルを合わせ、実践的な中計を策定致したく、特に管理職の皆さんには全員に策定に関わって貰うつもりです。その際には建設的な意見を期待します。
さていよいよ4月13日に「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとした大阪・関西万博が開幕します。ただ予てから工事進捗の遅れが指摘されてきたとおり多くのパビリオンの完成が間に合っておらず、開幕時には来場者を受け入れない可能性もありそうです。それ以外にも何かとネガティブ要素が先行する万博ですが、最新技術や世界の文化に触れられる貴重な体験の機会です。これまで小職は過去開催された5つの万博(1970年:大阪万博、1975年:沖縄海洋博、1985年:つくば万博、1990年:花の万博、2005年:愛・地球博)のどれひとつして訪れておりませんし、何より大阪に居住している利を活かさない手はありませんので、今回は足を運ぶつもりです。
今年度も安全最優先に、前向きな気持ちを持ち続け、皆さんと会社の新たな可能性を切り拓いて参りましょう。
ご安全に