【ノミとコップ】~ 誰と働くかが大切だ! ~

皆さんは、「ノミ(蚤)」をご存知でしょうか。最近は衛生状態が良くなったのでヒトに寄生して血を吸う「ヒトノミ」は減ってきていますが、犬や猫に寄生する種類のノミは今もまだたくさんいるようです。

2mmほどの大きさのノミのジャンプ力は30cmほどで、自分の体長の150倍もジャンプできるという計算になります。

現代の30代の男性の平均身長が171.5cm、女性が158.3cmですので、人間がノミの跳躍力を持てば、男性は257m、女性は237m近く飛べることになります。きっと色々物理的な問題でノミが人間の大きさであっても、計算通りの跳躍力は得られないのでしょうが、ノミのジャンプ力を物語る話です。

さて、このジャンプ力に自信があるノミを小さなコップに入れたらどうなるでしょうか?当然ジャンプしてすぐ外に出て行ってしまいます。では、コップにガラスの蓋をしたらどうなるでしょう?ノミから見れば空が見えるので、思い切ってジャンプするのですが、蓋に遮られて落ちてしまいます。

あれ?   ぴょーん   コツ   ぽと
あれ?   ぴょーん   コツ   ぽと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?????

何度かジャンプするものの、その度にガラスの蓋に遮られ、外には出られません。痛いし外に出られない。ノミも何度かジャンプするものの、次第にジャンプ力を弱め、いつしかガラスの蓋に当たらない程度にしか飛ばなくなります。

では、ガラスの蓋を外したらどうなるでしょうか?ノミは嬉々として外に飛び出していくでしょうか?実はそうはならず、ガラスの蓋が外れても、ノミはコップの高さまでしか飛ばないままです。これはコップから出しても同じままです。コップから出たとしてもノミはコップの高さまでしかジャンプしようとしません。ガラスの蓋に体をぶつけ、痛い思いをしたことをノミが覚えているからです。

飛ばなくなったノミを、再び体長の150倍もジャンプさせるにはどうすればよいのでしょうか?それは高くジャンプするノミといっしょに過ごさせることです。高くジャンプするノミを見て、飛ばなくなったノミも高く飛べることを思い出し、ガラスの蓋の高さ以上に飛び跳ねるようになるようです。

この話、ネットでも色々と紹介されているのですが、肝心の出所は明らかにされておりません。科学的にこうしたノミの実験をしたというよりも、寓話的に、ものの例えとして作られた話のように思えます。

その証拠に、とくに教訓を書かずとも、誰もがノミの気持ちになれるはずです。ガラスの蓋を被せられているのは、ノミだけではないのです。

この「ノミとコップ」の話と似た話に、マネジメントの名著『ビジョナリー・カンパニー2』に出てくる、「誰をバスに乗せるか」という言葉があります。何よりも一緒に働くスタッフが大切だということを説いています。

良いスタッフに恵まれていれば、例え飛び方を忘れてしまっても、再び大きく跳躍することができます。 一方、悪いスタッフに囲まれていれば、そのスタッフがガラスの蓋になってしまうかもしれません。

スタッフ一人ひとりが良い先輩、良い同僚を見つけて付き合い、良い先輩、良い同僚になるよう努力をする。

自分は良い先輩、良い同僚だろうか?自分なりに「良い」を考えると、「利他の精神」にたどり着きます。相手を思いやって、教える、教わる。コミュニケーションが大切です。

飛躍して高く飛べるよう、そして相乗効果で上向きスパイラルをつくるよう、各人が心がけていれば素晴らしい社風になると思います。

「SOE魂!」をみんなで創っていきましょう!
ご安全に!


記:リスク管理室長 鈴木 倫夫

鈴木 倫夫

リスク管理室長

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