30年くらい前に本か新聞で見たのかは覚えていませんが、『最悪を想定し、最善を尽くす』という言葉が心に残っています。語源は、1800年代のイギリス首相ベンジャミン・ディズレーリが色々な名言を残しているなかの一つを変化させ、このような言葉になっています。
I am prepared for the worst, but hope for the best.(私は最悪の事態に備え、最良の事態を期待する)⇒Plan for the worst, hope for the best(最悪に備え最善を望む)に変わり、日本訳では望むではなく、自分が動く、努力する意味で「尽くす」言葉に置換えたと書かれていました。
東日本大震災の時に、よく「想定外」と言葉が使われ、それ以後『最悪のケースを想定し…』と使われています。簡単な言葉に置き換えると「何事も先を読み物事を進めていく」ことです。
意味は少し異なりますが、同じような言葉で『慎重かつ大胆に』がありますが、私は『最悪を想定し、最善を尽くす』のほうが感じるものがあります。
最悪ばかりを考えると後ろ向きと見られますが、最悪の事態が分かっていれば、少々のトラブルは意外と冷静に対応できるものです。最悪の事態が起こっても想定内である(事前に色々な場合のシュミレーションができている)為、あわてず落ち着いて対処することができます。また、最悪の事態が想定できることで、最悪とならないように努力しアグレッシブに行動できます。この名言は、公私共に身近で役に立つことが多く、少しでも実践できるよう努めています。
SOEのエンジニアリング業務にこの名言をあてはめると、
①計画・設計は、使いやすさ・寿命・コストを総合的にとりまとめ、慎重に検討を重ねる。
②全体工程は、色々な事柄(夏冬の作業効率・梅雨・台風等)を想定し、多少のイレギュラーな事柄も対処できる計画を作る。
③工事は、どのような危険が潜んでいるのかを考え、危険に対処し、事故防止策を実行する。
④試運転は、いろいろなケースや出来事を想定し、トラブル無き様臨む。
のように考えることができます。
この他にも色々な名言はありますが、私のサラリーマン人生40年に当てはめてみました。社会人になった頃、『石の上にも3年』とどんなに苦しくても大変でも、じっと辛抱・努力すれば必ず報われると教えられ、年数がたち仕事に慣れてくる頃『継続に勝るものはない』と色々な勉強を継続することを勧められ、歳を重ねピークを越えると経験で得た“先を読む力”で衰えをカバーする『最悪を想定し、最善を尽くす』ことでそれぞれの年代を越えてきたと思っています。
皆さんも、色々な名言、ことわざを調べ自分に当てはめてみては、面白いのではないでしょうか。
名言といわれる言葉は何事にも当てはまることが多く、納得・反省することがあるかもしれません。
記:技術部 初岡